見守る側・見守られる側、
双方が安心して暮らしていただくために
提供する「見守りサービス」

―本事業で提供されるサービスについて教えてください。

寺本

寺本

セコムではご契約先に設置した防犯センサーや火災センサーなど各種センサーが異常を検知すれば、その異常信号をセコムのコントロールセンターへ送信、緊急対処員が駆け付けて対処するオンライン・セキュリティシステムを長年提供しています。今回の事業で提供する「セコムみまもりホン」はご家庭向けのサービスである「セコム・ホームセキュリティ」によって培ったノウハウを生かした、高齢者や持病をお持ちの方向けの見守りサービスです。

寺本
久保

久保

「セコムみまもりホン」はGPS機能を搭載したセコム専用の携帯端末を使った見守りサービスで、サービス内容は大きく2つあります。
1つ目は「もしもの時の安心」です。例えば、急な体調不良やケガなどの際、本体のストラップを引くだけで救急信号をセコムへ送ることができます。もちろんご要請によって、セコムの緊急対処員が現場急行を行います。また、ご病気などでご不安がある場合には、セコムの看護師に24時間いつでも無料で電話健康相談をしていただけます。
2つ目は「様子が分かる安心」です。離れて暮らすご家族に端末操作状況がeメール通知される「安否確認」や、ご利用者の居場所が分かる「位置情報提供」の機能があります。「セコムみまもりホン」は“心配をかけたくない”見守られる側と“心配な”見守る側の不安を安心に変えるサービスだと考えています。

久保
「セコムみまもりホン」

―”見守りサービス”が増えている昨今、御社の強みはどのような点でしょうか。

久保

久保

サービスをご提供するにあたって、ご自宅の鍵やご利用者様の既往歴などをお預かりさせていただいていること、そしてご要請に応じてセコムが駆け付けられることです。
ストラップを引くとセコムへ救急信号が届き、受信した管制員がみまもりホン端末へ電話で状況確認を行います。要請に応じてセコムの緊急対処員が駆け付け、状況確認の結果、緊急事態であればご利用者様に代わりセコムから119番通報をします。駆け付け場所がご自宅の場合、施錠されていて救急隊が入室できない場合でも、セコムでは玄関の鍵をお預かりしているので救急隊が宅内へ入室でき、さらに、申込み時にお預かりした既往歴などの救急情報を端末に送信・表示させることで、救急隊が確認して素早い対処につなげることが可能になります。

セコムとして守るべきところ、
取り入れていくべきところを
見極めながら新たなサービスを
検討していく

―昨年度の実証事業に続き、今年度もシャープ(株)のコンソーシアムに参加されていますが、これまでの経緯について教えてください。

寺本

寺本

昨年度の実証事業では、リストバンド型ウェアラブル端末を用いた活動量など健康情報を提供する機器提供者の立場と、セコム以外の機器メーカーの機器情報も合わせて利用し、電話健康相談の質を向上させるサービス事業者の両方の立場で参加しました。
セキュリティ会社としての情報セキュリティの観点から、機器提供者として情報を提供するにはクリアすべき課題があるものの、サービス事業者として機器からの情報をプラットフォーム(以下、PF)経由で収集する意義は見いだせたので、取り組みを継続していくことになりました。今年度は、幹事社であるシャープ家電との連携で何ができるかの検討を行い、「セコムみまもりホン」というサービスとの親和性からテレビのデータを活用することでプラスアルファの“見守り”サービスが提供できるのではないかという新しい試みが生まれました。

―昨年度の実証から課題に感じられたことはどのようなことでしょうか。

寺本

寺本

データの整合性や統一性です。例えば血圧データを参考に健康相談サービスを提供する場合、朝の血圧データと昼の気温データが得られても正確な状況が分からず、逆に判断を迷わせる情報になってしまいます。様々な機器からデータを収集できたとしても、整合性がなければ有益な情報にはなりません。

小泉

小泉

PFはこの先どうあるべきなのか、データの有効性を高めるためにはどういう規格を標準にすればよいのか、それを誰が決めるべきなのかは大きな課題だと思っています。それは、一事業者だけで解決できる課題ではなく、事業者間・コンソーシアム間での話し合いの中でひとつの形を作っていく必要があるため、恐らく次年度以降のフェーズになるのではないでしょうか。

小泉

―セコムとして、UI(ユーザーインターフェイス)やUX(ユーザーエクスペリエンス)で工夫されていることはどのような点でしょうか。

寺本

寺本

セコムのサービスでは高齢者が契約に関わります。ご契約時の同意確認ひとつをとっても、複数の事業者が関係する中で責任範囲の切り分けをいかに簡単に伝えるかに気を配っています。また、機器を使うことで満足してしまう高齢者も多いので、その先のサービスを利用するところまで繋げる工夫も必要だと考えています。

小泉

小泉

機器を持つ高齢者に複雑な操作をお願いすると、データが正しく提供されない可能性が高くなります。初期設定後は自動でデータ収集が可能になるなど、データ収集の方法は高齢者に操作の負担をかけない配慮をすることも重要だと感じています。

―事業者間の合意形成へのハードルや、標準化された規格がないという事業環境にありながらも、コンソーシアムに参加される目的や意義はどのようなところにあるとお考えでしょうか。

寺本

寺本

IoTやAIといったテクノロジーが進歩し、様々な機器が通信機能を持って繋がる世界がどんどん広がっていく中、セコムの中だけでサービスを完結させるのは困難になっていくという危機感があります。他事業者との連携も視野に入れて新たなサービスにも目を向けて検討していく、そういう時代になってきているのではという思いもあり、コンソーシアムに参加させていただきました。様々な事業者と連携することで、どういうデータを使用すれば消費者のニーズに応えられるサービスが提供できるのか、試行錯誤しながらも考えるきっかけを得られることは意義あることと考えています。