「少し先の当たり前」を想像しながら、
利用者にとって生活が便利になる
仕組みを作りたい

―スマートウォッチなどの所謂ヘルスケアデバイスを使いこなしているのは若年層のイメージですが、LifeRouteのユーザー層について教えてください。

畠山

畠山

当社の提供先は特に地域住民の健康増進を促すために自治体で利用されている割合が高く、案件の大小はありますが、国保利用者である65歳以上の比率が高くなっています。
その方々が健康増進を目的とする場合、例えばFitbitやApple Watchなどは人気もあり素晴らしいソリューションですが、血圧や食事内容を同時に記録することで、より効率的で高い効果が期待できます。LifeRouteはスマホアプリとPCブラウザの2種類あり、スマホは日々のデータ登録用、PCブラウザは新規ユーザー登録や個人情報の編集、時系列での情報閲覧用と用途をわけています。
ただ、最近ではスマホが主になり、パソコンを保有している人も少なくなっている中、スマホで完結できるようにしてほしいという要望や、単一目的のソリューションと比べて色々使える仕組みはあっても、使い始めがわかりづらいというお声を頂いています。
このユーザビリティの点は利用者の利便性を鑑みて、今後、改善しなければならない課題と考えています。

―データを活用した健康改善サービスは多く流通し始めていますが、今後の市場展望をどう見ていますか。

市場は拡大傾向が続くと思っています。今、データを収集する時には、自分で測ったり、場合によっては採血しますが、例えば血糖計では、非侵襲という方法を使うと採血する必要がなくなったり、血圧も締め付けることなく計測できる機器が研究されていて、実用段階が近いそうです。そういった健康機器がさらにオープン仕様になれば、利用者は計測忘れを気にすることなく自動でデータが収集される日が来るのもそんなに遠くないと思っています。
データは記録することではなく、必要な時に活かせることが重要です。当社はLifeRouteを地域医療連携に対応させた「埼玉利根保健医療圏 とねっと健康記録」も提供していますが、自分の今までの医療記録や健康データの見方を利用者本人はわからなくても、そのデータを必要な相手に見せる権限を利用者自身が持つことで、専門医や専門家などの適切なサービス提供者に対して、自分の情報を正確に伝えることができ、有益な指導やアドバイスを得ることができることは利用者が享受できるメリットであると考えています。

―御社の今後の展望について教えてください。

新たな機能としては、テレビ電話のソリューションを実装しました。今は医療面では運用条件面などの難しさもありますが、自治体や健保等で遠隔での栄養指導面談などでの活用に関心を持って頂いており、今年度の栃木県のICT活用特定保健指導推進事業でもLifeRouteが採用されています。
当社に限らず、同様のソリューションは複数社からサービスが展開されており、世の中や情勢としてはニーズもあるので、今後、当たり前にはなってくると思っています。業界の流れを見ながら、当社としては技術面のブラッシュアップを継続していきたいと考えています。

利用者のために便利なもの、ニーズがあるものをベースに、2、3年先の少し未来には当たり前になっているものを常に想像しています。利用者がデータを活用できるサービスを受けられる環境を提供することが重要と考えていますが、当社はつなぐためのプラットフォームを提供する役割なので、その先のサービス提供は当社だけではできません。
これまで生活習慣病の人に健康指導で塩分を控えなさいという指導を行っても、指導内容が難しかったり調理が困難であれば生活習慣病のままでした。今回の事業では、グローバルキッチン社が利用者の健康状態に合わせた食事を提供するまで行うので、一歩進んだアクションが可能になると思っています。従来、こういうICTを使ったヘルスケアサービスはコンテンツ提供企業とICT企業がタッグを組んで初めて提案できるスキームですが、国内ではすでに1対1のソリューションが完成しており、コンテンツ企業が新たなICTパートナー企業展開を探すのは難しい状況です。当社はそういうICT企業を探しているコンテンツ提供企業と連携するための活動にも力を入れていきたいと考えています。