安心・安全な食事を
誰もが手軽にできるように、
栄養バランスだけでなく
“美味しさ”にもこだわりを持った
献立を開発

(写真左から)
取締役部長 萩原 研次
まごの手事業部 次長 西澤 直行
専務取締役 関口 祐司

―御社の食材提供サービスについて教えてください。

関口

関口

我々は食に関するすべてのサポートとして、高齢者施設への給食事業、在宅高齢者への配食事業、個人向け通販、海外輸出向けなどを主に行っており、自社開発した調理済みの冷凍食材を献立と共に提供しています。開発メニューは所属する管理栄養士が作成しているため、栄養面はもちろんですが、特別な急速冷凍技術を使用していますので、美味しさだけでなく提供された際の色合いにもこだわっており、利用者の方からは好評をいただいています。

関口

管理栄養士が作成しているメニューには、常食、やわらか・ムース食、そして療法食などがあります。療法食は糖尿病や腎臓病の方、ダイエットが必要な方などそれぞれの方にあった栄養を管理・調整しています。お弁当タイプの商品は、一人前から提供可能ですので、例えば100名の方が入居されている施設の中で糖尿病の方が5名いらっしゃる場合でも、常食以外に必要な方には療法食を提供するなど分けていただくのも簡単に済みますし、在宅介護されているご家庭に提供することも可能です。これまで仕込みを含めて一から行う必要があった調理は、必要な時に必要な数だけ解凍して盛り付けるだけになります。
調理の手間がなく、低コスト、そして栄養バランスが取れている食事であること、この3点が我々のサービスを使っていただくことで提供できるメリットと考えています。

―現在、提供されているメニューアイテム数はどれくらいありますか。

関口

関口

特に施設に入居されている方にとって、昨日も今日も同じメニューだと嫌になりますよね。メニューアイテム数が少ないと、どうしても飽きられてしまいます。我々は1か月毎日違うメニューを提供できるよう、アイテム数はそれだけ揃えなければならないと考えていますので、全体でだいたい700アイテムぐらいになります。どうしても在庫は膨らみますので、そこがこの業種の難しさの1つだと思っています。

萩原

萩原

アイテム数を増やすことも重要ですが、新しく、ごはんとの組み合わせで各療法食に対応できるメニュー「Smart Life」を10月下旬に発表しました。本来ならそれぞれ異なるメニュー提供が必要になるエネルギー調整・たんぱく調整・塩分調整、どの療法食としても喫食可能な栄養設定を行っており、おかずだけでもご利用いただけますが、なかなか普通の量販店では売られていない、通常よりもたんぱく質の摂取量を1/25に抑えた低たんぱく米との組み合わせも提供しています。もちろん食事療法食としてのご提案メニューではありますが、健康な方でも十分美味しく召し上がっていただけると思っています。

萩原
関口

関口

管理栄養士が対応する相談窓口も開設していますので、低たんぱく米がいいのか、「このおかずできっちり栄養を取れるのでごはんは半分にした方がいいですよ」など、メニューとご飯の組み合わせやグラム数についても個々の方に合わせてご相談させていただけます。

―2016年にハラール認定を取得され販売も行われているそうですね。

萩原

萩原

2020年の東京オリンピックをきっかけにレストランやホテルなども対応を進められていますが、我々も介護施設で働く人材として海外の方が増えている中、施設としても個別の対応が難しいところをカバーするだけでなく、入居者として外国の方が増えている実情を鑑みると今後入居者への提供も必ず必要になってくると考えています。また利用する施設側にとっても、ハラール食に対応できる、受け入れ態勢が整っていることは、他施設との差別化にもつながると考えています。

―健康はもちろんですが、飽きのこない、美味しい食事が提供されることも、利用する方にとっては重要ですよね。

関口

関口

我々が提供するものは一般の方が食べても遜色ないように工夫しています。いわゆる病気の方向けや高齢者向けだと味が薄いという評価になりがちですが、そうではなく誰が食べても美味しいものにしています。病気であろうと高齢であろうと、カロリーを気にしていようと、結局誰でも美味しいものを食べたいはずです。個人個人の規定や制限、塩分は2グラム以下、タンパクは何グラム以上であるとかそういう細かい基準もきちんと厳守し、かつ美味しさも追求するのが我々の事業の大前提です。

(冷凍状態で届く食材例) 上、冷凍弁当タイプ
下、5人前食材パック

(解凍後の食材例) 5人前食材パック

栄養指導だけで終わらない、
一人ひとりにあった栄養価の提案から
その方に合った栄養価の食事を
お届けまでを一気通貫で提供する意義

―今回、キーウェアソリューションズ(以下、KW)とコンソーシアムを組まれた経緯を教えてください。

関口

関口

規模の施設を除いて、栄養指導が行き届かないのはよくある話です。そういう時、「この食材と食材を組み合わせたら糖尿病の方に提供できますよ」とか、我々の管理栄養士に相談いただき、食事の改善につながるだけでなく、調理の仕込みなく、利用者に満足いただける美味しいものが提供できるようになります。これは施設に限らず、個人のご家庭にも管理栄養士が作成した献立のお弁当が提供されることで、在宅介護をされているご家族の方の負担も削減できると考えています。

今回、コンソーシアムを組んでいるKWさんとは3年ぐらい前から交流がありました。我々は、在宅高齢者、特に独居高齢者、そして健康が気になる独身の方々、本当に必要とされている方々に我々の食事を届けるには、IoTと絡めて取り組まないと浸透していかないと考えていたこともあり、この事業をきっかけに一緒に何か面白いことができないかと参画を決めました。

年齢から判断される基礎代謝が同じでも、事務職の方と現場で働く方の運動量は違うはずで、その方がどのくらい1日に動いているのかを知ることが重要だと考えています。今回、KWの「LifeRoute」と組むことによって登録いただいた身長・体重・BMIなどの基礎情報だけでなく、歩数計などの活動情報を把握することが可能になり、その情報が管理栄養士にも共有することが可能になります。管理栄養士が運動量も含めた情報を把握することで、これだけ毎日歩かれている方であればもっとカロリーは必要では、など個々の情報に基づいて、より具体的な個人に合わせた栄養提案をすることが可能になります。

皆さんが受診される健康診断などでお医者さんから血糖値が高いので栄養管理した方がいいですと問診で言われたり、今、健康管理ができるアプリはたくさん出ていて体重の増減とかも見えるようになっていますよね。カロリーを控えなければならない時、では具体的に何をすればいいかは正しい情報をもとに自ら勉強するか、専門家でなければ分からない。我々が食生活に関して問題意識を持っている点はここです。自分で食事量を極端に減らした結果、低栄養になったという方もいると聞きますので、自己判断しなければならない状況から間違った食生活を送ってしまう方は多いのではないでしょうか。

―適切なアドバイスを受ける場が少ない、アドバイスを受けても実行できない、という事でしょうか。

関口

関口

大規模病院を除けば、不完全です。また、ソーシャルワーカーや管理栄養士が付き添ってお医者さんの指示を聞き、こういう献立の食事に変えましょうと栄養指導があっても実際のところは高齢者夫婦、特に独居高齢者の方々、独身男性など自分たちだけで食事を考えて調理しなければなりません。
我々が目指しているのは一人に一人ずつ管理栄養士がつくことですが、ただ管理栄養士がつくだけではダメです。献立を教えてもらっても買い物にも行けない方もいらっしゃいます。そこを解決するために「LifeRoute」を通じて教えていただいたあなたの日々の行動量や健康状態であればこのお弁当はいかがですかと献立提案から食事提供まで一気通貫でサービスを提供しようというのが今回の事業です。健康管理をする、リコメンデーションする、そこまでのサービスであればたくさんありますが、我々のサービスでは食事の提供まで行う、ここが大きな違いであり、重要なところと考えています。